2016年8月16日火曜日

BRM806北海道600km宗谷岬【完走】④

「ブルベ戦記」 第306話

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BRM806北海道600km宗谷岬 ④

 

稚内市のPC3を出発する頃には、夕闇が迫ってきていました。

 

8/6 19:25

稚内市内は、夏祭りでJR稚内駅近くの通りが歩行者天国に。

ブリーフィングで言われていたとおり、コースを迂回します。

 

ここでまた、ヒヤリとすることが。

市街地のバス通りを通過中、突然暗がりから、大きな白いペリカン(最初は一瞬そう思った)が羽根を広げながら通りに飛び出してきて、危うく、私のバイクの前輪で巻き込みそうになりました。避けながら通過しましたが、あれはペリカンではなく、カモメだと気付きました。

 

しかし、なんでカモメが街の真ん中の通りを徒歩で横断するのでしょう?

(港町だからさ)。そう思い返して、納得。

 

そういえばさきほどの夕方、PC3のコンビニの向かいの家並みの隙間から、宗谷海峡越しにサハリンの島が見えていたりもしました。

 

しばらく、海沿いに細長い市街地を一人で進むうちに夜に。すると、不意に眠気が出てきました。ちょうど街外れ近くの通りの右側にコンビニがあったので、その駐車場に乗り入れ、10分ほど仮眠。ここまで使ってきた頭と眼と身体をいったん休ませます。

 

起きると、多少はすっきりしたので、さらに進みます。

 

20:29

市街地が途切れ、宗谷国道(国道238号)で宗谷岬を目指します。

 

20:42 セイコーマートとみいそ店 

宗谷岬の手前。猿払村のコンビニまで営業時間内にいけるか分からなかったので、最北のこの店に念のため、立ち寄ります。店の外にベンチが並んでいたので、つい、怠け心でまた身体を横たえます。

 

すると暫くすると、数台のグループが到着しました。遠征組のHさんらです。

 

21:12

彼らと、次のPC4まで行動を共にすることにしました。ソロで未明に真っ暗闇のオホーツク側の道を進むのは、単に眠気との闘いになるだけのつまらない旅になる気がしたからです。

 

21:30

その前に一大イベント。日本最北端の宗谷岬で記念撮影です。

 

21:31

 

このあと、まずは猿払村まで国道238号を南下します。

コンビニが開いている間に着けばラッキーです。

 

この一団を引っ張る、地元北海道のご夫婦(ちなみに某横浜在住のブルベライダーの方は、彼らを「貧脚詐欺夫婦」的な称し方をしていたようですがwww)、その呼称に品があるか無いかは別にして、実際、このご夫婦、とてもとても快速でした。そして、それについて行く遠征組のHさん、Mさんの女性2人も素晴らしい脚の持ち主。で、「爆走娘」とかwww

私はただただついていくだけです。

 

この一団で、次々とソロの男性ライダーたちを抜きながら(やはり一人だとペースが落ちるんでしょうか)、宗谷国道=オホーツクライン(国道238号)の真っ暗闇を駆け抜けていきます。

一度、追走に切り替えようとしたソロの方もいましたが、すぐに一団からちぎれて後方に消えていました。いかに快速だったか。

 

 

ところが、いよいよ猿払の村の灯りが遠くにみえてきたか、という長い下りで、いきなりご主人の後輪が「パーン」という破裂音とともにバースト。幸い、転倒などはなく停止できましたが、ご夫婦は修理するので、先に行って、とのこと。猿払のコンビニでお待ちしています、と我々遠征組は先に行きました。

 

今度はHさんが先頭に出たのですが、彼女も元気がよくて、速い。

ついつい、「さっきよりも速いよ」なんて、女々しいことを言っている私。

600kmをいかに安定して完走するか、しか考えられない情けない男です。

 

22:48 セイコーマートさるふつ店

ここに営業時間中に来る想定は正直、あまり、もっていませんでした。

ラッキーとばかりに、眠気予防にと、コーヒーとコーラを同時に勢いよく飲んで→むせて→そして吐く、という失態をやらかし、いけてない自分。

 

パンク修理を済ませたご夫婦もすぐに到着。

 

 

8/7 0:42

次の目標地点はPC4 そこまで寝ずに行きます。2時半ごろには着く、との見通しで、一団は夜道を飛ばしていきます。

 

途中、浜頓別町で自販機があったので、小休止。歩道上に体を横たえましたが、未明でも、これだけペダルを回していれば、眠くなるはずがありません。

実際、走行中は眠気とはほとんど無縁でした。

トイレにも寄ってから、再びナイト爆走へ。

 

1:50

浜頓別町から内陸部に入り、中頓別町へ。

 

延々と続く夜道。さすがに気が少し遠くなりかけるほど、延々と続く夜道でした。

内陸部に入り、ときおり濃霧も出ていました。

 

2:32

PC4 そうや自然学校に到達。

 

2:35 PC4(364.7km そうや自然学校)

 

(撮影=AJ北海道)

奥の大広間ですぐにごろ寝。

 

4時半ごろにいったん、すっきりと目が覚めましたが、6時起きと決めていたので、二度寝。

これがあまりよくなかった。

というか、ブルべで4時間近くも寝たのは初めてでした。

 

2回目の寝起きがあまりよくなかった。

頭がぼーっとする。

 

6:39 

昨夜の一団のうち、われら東京遠征組3人で出発。

音威子府でそばとか、そういうグルメ旅はとっくに破棄していたので、もう出ます。

 

6:42

ところが、女性2人を前にして、自分がけん引できない。

頭がぼっとして、身体が動かない。

ついてゆくのがやっと、という情けなさ。

 

7:16

 

7:26

寝起きで登坂はどうもだめです。

一度、坂で前に出ますが、身体が動きません。

また後ろにつく、なさけないおじさん。

 

7:49

日がさしてきました。今日も晴れのようです。

 

 

7:58 セイコーマート音威子府店

 

8:00

音威子府村で見てみたかった、彫刻家・砂澤ビッキのトーテムポールが国道40号沿いで一瞬みえたのはよかった。

 

8:22

Mさんのコンスタントで安定した走り、Hさんの快速ぶり。

この2人の女性は強い。

(感心している場合ではないが、時間的に余裕ができていたこともあり、こちらは「まったり」モードにはいってしまってました。なんだか暑さも出てきたし)

 

8:51

 

 

9:14

ソロの男性を抜いていきます。

 

9:16

 

9:32

天塩川

 

9:37

道央道のインターが近づいてきました。

だんだんと国道の交通量も増えていきます。

 

9:45 セブンイレブン美深西1条店

「しかし、なんだか今日は日差しが暑くない?」

このあたりから、600km後半における、灼熱のブルべが展開され始めたのです。

 

 

9:50

冷たいものは必須。

 

10:20

天塩川

あれ?さっきも渡った川?

渡りました。要するに、上流に向けてこちらは川沿いを遡っているわけです。

 

 

10:34

トラクターは仕事中。

 

10:36

トラクターも移動中。

 

10:36

名前が思い出せない、あれ。

 

10:37

 

10:40

 

 

10:44

旭川の予想最高気温が35度との情報も耳に入っていました。

私のサイコンでは、路上気温はすでに36度に達していました。

湿度はないのですが、日差しがじりじりと熱い。

 

 

11:09

ようやく名寄市まで南下してきました。

 

 

(ち~のさん撮影)

名寄市内のPC5手前で信号待ち。

強い日差し、すでに気温は30度以上。

「北海道なのに何、この暑さ」と皆ぼやくことしきり。

 

 

11:17 PC5(442.6km セイコーマート名寄西4条店)

おじさんと「爆走娘」たち(撮影=AJ北海道)

 

外の暑さはボルテージアップ。

PC5にいたスタッフの方にリタイヤ通告している参加者もいました。

 

われわれも、暑くて、このあたりから、20kmぐらいしか一度に進めない感じ。

20km進んだら、コンビニを探し、涼みます。

それほど灼熱だった。日陰、木陰がコース上に全然ないし。

 

 

13:01 セブンイレブン士別北1丁目店

 

コンビニで水と氷を買うのが恒例化しました。かぶり水をボトルにいれて、次の20km先のコンビニまでもたせます(20km先にコンビニがあるのか、そこまで厳密に調べていませんでしたが、20~30km以内にはあるだろう、という予想だけでした)

 

13:50

旭川はもうすぐ。士別から剣淵町へまわり、鷹栖から旭川へ入るルートです。が、熱い。

ここでいったん、Hさんが後退。

日陰を探している感じでしたが、ちょうど、何もない平地にぽつんとセイコーマートがあり、そこへ逃げ込んだ様子。大丈夫でしょうか、、、。

 

14:49

そういう私とMさんも、鷹栖峠に入るまえにコンビニをみつけられないまま、木陰でつい小休止。水道を探しましたが、無い。

 

と思ったら、建物の裏手で小川のせせらぎの音。

水田の用水路で、山のほうから勢いよく水が流れてきてたので、おもわずボトルで数回、頭から水をかぶりました。これがとても気持ちよかった。

 

14:56

鷹栖峠へ。

峠の途中で一度、片手でボトルをもって登坂していたところで、荒れた路面でふらつき、Mさんの後輪にハスってしまい、私がコける一幕も。どこまでも情けないおじさんです。

 

そういえば、横浜のMさんも元気で、そうや自然学校での仮眠もそこそこに、われわれよりも先行していました。

 

 

16:10 セイコーマート東鷹栖店

旭川の市街地にたどり着き、ようやくみつけたコンビニで、あまりの暑さに、避難。

トイレの手洗い場で、また頭から冷水をかぶります。

熱中症予防のためにはなんでもやりました。

 

16:40

旭川市内の環状線をゆきます。

もう夕方なのに、まだ暑さは和らいでいません。

上川盆地、冬寒く、夏暑し、です。

 

17:33 PC6(527.5km セブンイレブン東神楽南1条店)

どうも近隣で夏祭りでもあるらしく、あるいはブルべライダーが殺到したためか、水がすでに売り切れていました。

ついに観念し、私はボトルの緑茶を頭からかぶりました。

(これがのちのち、乾くとお茶のにおいがするのには閉口しました。もうしません><)

 

17:35

店の外には巨大扇風機がありましたが、熱風が吹いているだけです。

鷹栖峠手前で休憩に入ったHさんも、ここで追いついてきました!よかった、よかった。

 

18:24

さあ、ゴールまでもうふた息ぐらい?です。

 

18:26

国立の旭川医大のキャンパス横を通ります。

そういえば、旭川は病院の街、でもありました。

 

18:31

日がおちたら、涼しくなるでしょう。これが合言葉のようになっていました。

早く沈んでおくれ!

 

18:43 セイコーマートまるひで店

最後の多度志の峠に入る前、旭川の市街地を外れる前に、ちょっと立ち寄り。

飲料水だけ確保しておきます。

 

で、いよいよ旭川の市街地からはずれて峠に入るあたりで、2012年のパラダイスウィークの300kmだけ出た時もここの峠を走った、とか言ってると、Hさんが、では先導を、と促すので、ようやくここで再び、2人の前に出ます。

 

が、しばらくしてふと後ろを振り返ると、2人ともいません。

ペース配分しないまま、気の向くままに進んだ自分が悪いのですが、仕方ないので、このまま先行します。

 

19:27

ピークに至る、このトンネルが涼しかった!ずっとここにいたかったが、トンネルの出口まで上りなので、十分、時間をかけて涼みながら通過。

 

19:35

さあ、あとは下りと、平たん路で、ゴールでしょう。

一気に下ります。

途中、尾灯がみえたので、近寄ってみると、横浜のMさんでした。

「あともう少し」と声をかけたのですが、聞こえてなかったような。

最後のPCがもうすぐだったので、先行します。

 

20:18 PC7(574.1km セイコーマート深川多度志店)

さあ、残り25km。時間も余裕。みんなも追いつきました。

ここから余勢でゴールへなだれ込みます。

 

21:31

PC出た先の最後の坂のあとのスピードの出ている真っ暗な下りで、ライトの光が小動物(いたち?)数匹が道路で遊んでいるところを照らし、ブレーキをかける暇もなく、そこへ突入。ハンドル操作だけでかわし、一匹もはねなかったのは奇跡的でした。びっくりした。

 

22:05

国道12号に戻ってきました。もうすぐ。

 

22:10

道の駅たきかわへ。ゴール!!!!!!

 

所要38時間10分。4時間近くの睡眠、グルメ旅は棄てつつも灼熱を避けるためにコンビニストップが異様に多かったわりには、タイム的にはまあまあでした。

 

22:10

ゴール受付の後、玄関脇の水道の蛇口の下に寝転がって、しばらく頭から水を被っていた私。2日目に熱中症でリタイヤする恐れはありましたが、水を被りつづけ、なんとかしのげました。

 

22:10 ゴール(農村環境改善センター/撮影=AJ北海道)

 

(撮影=AJ北海道)

 

ヘンテコな看板をもたされw、記念撮影。

「1200km÷2=600km」(予算の関係で使いまわすとか?)

いやいや、今回だって、ずいぶん遠く、最北端まで行ってきた感、十分にあり。

600kmだってなかなかの距離でしたよ。

 

 

この後、自走して再び滝川のホテルに戻って、コインランドリーしながら、寝ました。