2020年1月26日日曜日

2019 Paris- Brest- Paris  (PBP=パリ・ブレスト・パリ 1200km)  【11】

「ブルベ戦記」 第359話


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 【Etape 11】(10から続き)

 Tinténiac(869km)
→Fougères(923km)




大会4日目の朝、2019/8/21 
復路のタンティアックで予定通りに30分間休憩し、
午前7時ごろに出発。フジェールへとさらに戻る道です。
2019/8/21  7:06
 朝日が昇ってきます。今日の天気はさらに晴れそうです。














この4日目の朝、朝日に向かって直線路をゆく各国のランドヌールたち。
なんとなく、懐かしい場面のような気がしていました。
そう、前回(2015年)の時の光景もそうでした。
その時に撮った場面が印象的だったので、今回もその場面の撮影を狙いましたが、
フランスの田舎道らしからぬ、電柱の並びが邪魔をしていいアングルが見つかりません。

これが前回2015年の時の撮影(↑)。
場所はタンティアックよりも前、ベシュレルの手前でした。
タンティアックには今回よりも1h遅く到着しています。
タンティアックまでの距離は前回比で数キロしか違わないので、
今回のほうが進行ペースが1h以上早い、ということになります。

2019/8/21   7:11
  
といった感慨にふけりながら、それなりに朝の田園地帯をペダルを回していました。
 (昨晩はルディアックでも仮眠できたし、今日一日もしっかり走り切れそうだ)

たびたび単独走行になっているが、
自分のペースで順調に走れている。所要時間も予想通り。
このペースならば余裕で87h前後でゴールできそうだ。
そういう思いが頭をよぎると、安堵感とリラックス感に包まれた感じがしました。
緊張が緩みました。

そのとき、何故か一瞬、意識が飛んだのです。

はっ、とした時、バイクは斜め右に向いていて、目の前には道路わきの溝が。

とっさに急ブレーキをかけたのと、
前輪が道路わきの溝にずり落ち始めているのが同時。
そのまま、溝の草むらにどさっと横倒しに落ちました。

走行ログにも、その様子がはっきりと軌跡で残っています(笑)

草むらはけっこう深かった。
だからか、幸いに身体もバイクも無傷でしたが、恥ずかしかった(笑)。
前後に誰もいなかったので、この醜態を見られることはありませんでしたが。


2019/8/21  7:31  

眠気はなかったのですが、やはり、4日分の疲労が体のどこかにあるんでしょう。
「やれやれ」。
確かそんな独りを言いながら、ゆっくり起き上がって道路に上がり、草や土を払い落として、また走り出しました。
その後も眠気はなく、(どうしてさっきは意識が一瞬遠のいたんだろう)と自問しながらも、ペースを保ちながら、気持ちよく朝の田園地帯を駆け抜けます。



2019/8/21  7:33   ディンジェを通過

2019/8/21  7:34

2019/8/21   7:34
なんとなくですが、だんだんゴールが近づいてきて(残りまだ300kmほどありましたが)、 気持ちが軽くなってきていました。

初参加した前回(2015年)と違い、今回は知識と経験が備わり、いろいろとある程度の計算ができたので、その通りに動けた、という自信のようなものです。


2019/8/21  7:55
  ファンという集落の広場では、台湾の人たちによるエイドステーションがありました。

2019/8/21  7:58 
誰を対象にしているのかやや謎でしたが、飲み物をいただいたような気がします。

2019/8/21  8:25 
サン・ド・ブルターニュを通過。
長く広い田園地帯を抜けてきて、坂を登ると村や町があり、
中心には大きな教会と広場がある。

この繰り返しがPBP、といっても過言ではありません。

2019/8/21  8:29
 季節は夏ですが、みんな寒いフランスの夜を越えてきて、厚着姿が目立ちます。
2019/8/21  8:43
2019/8/21  9:05 
木立の間からの、夏のやさしげな陽光がとても素敵でした。
ピンボケになりながらも、何枚もシャッターを切っていました。
これはいい一枚かも。



2019/8/21   9:35 
さわやかな夏の朝、フジェールまで戻ってきました。
前回2015年は信号で一度しか停まらなかったのですが、今回は信号をよくみかけた気がします。
ただ、やはり赤信号で停まることはほぼなかったです。

フジェール城、右手にちらっと見えました。
 2019/8/21  9:42  Fougères(923km)
(予定10:17 / -35min.)

 

2019/8/21  9:57 
予定よりも35分早く到着です。

12】につづく


2019 Paris- Brest- Paris  (PBP=パリ・ブレスト・パリ 1200km)  【10】

「ブルベ戦記」 第358話


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【Etape 10】(09から続き)

Loudeac(783km)
→Quédillac (services only)(843km)
→Tinteniac(869km)


ルディアックで予定通り、2回目の4h休憩(含む3h仮眠)をはさみ、
翌8/21午前2時ごろ?にソロで出発。

画像や走行ログデータ以外は、いろんな場面の記憶が(前後関係不明瞭で)断片的に脳裏に記憶として残っているので、なんともいえませんが、
仮眠もしっかりとれていたので、疲れはなく、
夜明けまでの3回目のナイトライドをしっかり走れていたはず、です。
2019/8/21 3:56
 ルディアックから2h近く、夜闇の中を走り、
 夜明け前、メネアック過ぎのイフォーで、
教会前にエイドステーションがあったので寄りました。





カボチャのスープだったような。温かくて美味しかった。
2019/8/21 4:01 
この大会横断幕、よくみると、、、。

コントロールじゃないケディヤックを午前5時ごろ(と推測)通過
(写真も記憶もないのだが、走行ログではしっかりと立ち寄っている)



そして、この区間だったか、時間と場所が不明瞭なのですが、

 確か、私が連れもなく夜道を走っていたので、この時間帯、
どこかの集落(あとで写真を見返すと、おそらくベシュレルという、タンテニアックに入る手前の集落)を抜ける箇所で、前後に連なる集団の中に私も混じっていた時、

長い下りなので、それなりに速度が出ていたが、
道路の真ん中にところどころ、中央分離帯の楕円形の白い縁石の構造物(↓)があったので、

往路のときの写真を再掲。たぶんここ。
(ここにぶつからないようにしないと)と気をつけていたら、
私の左側後方(つまり道路中央寄り)に1台が速度をあげてグループを抜いてきて、
ちょうど私の左横に並びかけた。

でも、次の縁石が前方に見えていたので(この人、抜きにかかって大丈夫なのかな?)と思った瞬間、案の定、左横にいたこの1台は縁石に衝突。 

 一瞬の間に、青い火花と、前輪のリムが縁石に衝突して乗り上げつつ「グシャリ」という音がしてへこみ、バイクが急減速するのが目に飛び込みました。


 目撃したのはそこまで。
速度が出ていたので一瞬の出来事。

こちらはそのまま、集団の中で下り続けましたが、
 あの1台はおそらくリムが壊れており、もう走行は駄目だったでしょう。





2019/8/21 6:19 Tinténiac(869km)
(予定07:04 / -45min.)

走行計画では7:04到着予定で、
ルディアックでの休憩による時間ロスをここタンテニアックまでに取り返すのが目標だったが、予定より45分も早く到着。
かなり気持ち的にも余裕が出てきました。

2019/8/21 6:36
2019/8/21 6:50 
夜が明けてきました。
大会4日目、いよいよ後半も半ばにさしかかります。


 11】につづく


2020年1月8日水曜日

2019 Paris- Brest- Paris  (PBP=パリ・ブレスト・パリ 1200km)  【9】

「ブルベ戦記」 第357話


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【Etape 09】(08から続き)

Carhaix-Plouguer(693km)
→Saint-Nicolas-du-Pelem (services only)(738km)
→ Loudeac(783km)




2019/8/20 17:07 カレー・プルゲール

皇居周回練メンバーがここで集いました。(撮影・Hさん)
2019/8/20 17:10(撮影・Hさん)

さあ(もう600km以上走破してきてるのですがw)、
ここからさらに少し飛ばしていきましょう!と

 (ほとんど皇居周回練 in PBP)
2019/8/20 17:11(撮影・Hさん)
2019/8/20 17:39(撮影・Hさん)
2019/8/20 17:39(撮影・Hさん)
2019/8/20 17:58
2019/8/20 18:08
2019/8/20 18:23(撮影・Hさん)

2019/8/20 18:46(撮影・Hさん)

ちなみに私、2020東京五輪の公式ボランティアに登録している手前、
PRを兼ねて、スタートからゴールまでずっと「ミライトワ」を掲示していました笑
2019/8/20 18:47(撮影・Hさん)
2019/8/20 19:05 Saint-Nicolas-du-Pelem (services only) (738km)
                         (予定18:55 / +10min.)

 サン・ニコラ・デュ・ペルムは往路と同様、
またもシークレットでした(なぜか笑)

さあここから、アップダウンが多い区間ですが、
さらにペースを上げていきます!

 2019/8/20 20:17(撮影・Hさん)
 2019/8/20 20:17(撮影・Hさん)
2019/8/20 20:45
2019/8/20 20:46(撮影・Hさん)
2019/8/20 20:46(撮影・Hさん)
 2019/8/20 20:53
 2019/8/20 20:53(撮影・Hさん)
2019/8/20 20:53 そうそう、
この国旗をはためかせた「ドイツ3人衆」ともペースが似ていて、
昼夜にわたり抜きつ抜かれつでした。


特に下りが速い! 
後方からズドーンと抜かれたときは、ミサイルが飛んできたのか!と思ったほど。

まさに「V2ロケット」のような(笑)
2019/8/20 21:13(撮影・Hさん)
2019/8/20 21:50
2019/8/20 21:52 Loudeac (783km)
        (予定21:51 / +1min.)

ここまで700km以上、快調なペースで走ってきました。で、
ドロップバッグを置いてある中継地、
ルディアックのコントロールまで戻ってきました。


借金はほぼ返済(あと1分)。ここの予想到着時間とびったんこ(!)です。
時間内完走がだんだん見えてきました。
2019/8/20 21:53
 2019/8/20 22:00(撮影・Hさん)

ルディアックにて。
ここで3日目の晩、再び4時間(睡眠3h+シャワーなど1h)大休憩~♪



 10】につづく