ブルベを始めた2011年当時と比べ、最近はまた仕事のほうが徐々にせわしくなりつつあり
(といっても、早朝から未明まで、という1日18時間の超・長時間労働がデフォルトだった30代の頃と比べたら雲泥の差ですが)、
なかなかこのブログの頻度も上がってはいません。
ですが、ロードバイク趣味を自分なりに、それなりには楽しんでいます。
その顛末をその都度ブログに反映させるまでの時間が、最近は少々足りていないだけのことです。
近況では例えば、ここ数年、ずっと愛用してきたウエアがさすがに傷んできたり、とか。
そろそろウエアのほうも買い替えを検討しなくては、ですが、予算もそうあるわけでなく、
思い描いている通りには事は進みません。
限られた予算で、効果的に趣味性を高めたいところです。
そのためには、ネットだけでなく、店に行って自分の眼でリサーチして、
自分に合った商品がないか、探したりもしています。
そういえば話が前後しますが、
昨年に加わった2号機のことがありました。
詳しく紹介します。
※今回は、ある知り合いがやはり購入したアルミロードバイクの話にも触発されています(笑)
TREK EMONDA ALR5
記事1
記事2
少し背景を記しますと、
パリ・ブレスト・パリ1200km(PBP)が終わり、
ほっと一息ついていた9月の初め。
PBPは制限時間内でゴールはしたものの、
あと200km弱という終盤にさしかかって、だんだん上がらなくなっていた首をバンドで後ろから引っ張って走っていた時、(次にここに来る時は、もっとアップライトで楽なポジションで走りたいものだ)という新たな強い思いにとらわれていました。
実際、帰国後になって頸椎ヘルニアの症状が顕著になり、派生して肩の痛みも起き、PBP前の骨折治療に引き続いて、また近所の整形外科にごやっかいになることになり、しばらく通ったりも。
遡ってPBPのスタート時には、
うちの父方の先祖代々が、松代真田藩の初代・信之公の時から明治の廃藩置県まで、藩士として真田家に仕えていたので、私も当然、真田の旗印である六文銭(六連銭)をフランスの「決戦の地」でも掲げて、自らの気持ちを鼓舞したり(いや、リラックスしたりw)していました。
そうしたことからPBP走行中も、(もし次もこの地にくるなら、バイクにも「真田」ゆかりの何かを施してみようか)と思い描いていたり(笑)
当然そうなると、真田を象徴するものとして分かりやすいのは六文銭とともに、
大阪の陣にて、信繁(幸村)公ら真田の兵が勇名をはせた戦で装着した赤い武具、
つまり「赤備え」でしょう。
このアイデアもPBPの道中、何回も頭に浮かんでいました(笑)
(PBPは、幻想や夢想、様々な想念にとらわれながらの昼夜4日間の旅なのです)
以上のような経緯から、
(もっとポジションが楽で、コストパフォーマンスに優れた、新しいフレーム、ないかなあ)
なんてことをぼんやり思いながら、昨年9月のある日の夕方のこと、会社帰りにロードバイク店にふらっ、と立ち寄ったりしていると、
TREKコーナーでこのひときわ目立つ、真っ赤なロードバイクが目にとまりました。
(なんだ、これは!)←岡本太郎調で
もともとホンダ、ヤマハなどがしのぎを削るオートバイの最高峰・GPの世界に入れ込んでいた時期もあったので、「FACTORY」という文字は、さらに私の心に響きました。
(あのTREKがEMONDAの名で大々的に売り出したバイクだから、これは間違いないだろう)
(クランク、ブレーキなども含めてコンポーネントがフル105仕様だから、しばらくはこのままグレードアップしなくても走れる。完成度の高い「完成車」だ)
(軽そう。しかも自分には初めてのリア11速だ)
(これだけそろって値段が20万円とは、安い)
これらの明快ないくつかの条件を思い浮かべて、いきなり私の中では、この真っ赤なバイクの購入に向けて大きく舵が切られたのでしたw
まさに「衝動買い」です。
カーボンではなく、新開発の「300シリーズAlphaアルミニウム」なる新素材アルミであることも、
(なんだか新しくて、面白そう)と、
自分には心地よく響いてきましたw
この時点ではまだ、このEMONDA ALR5が、
カーボンモデルのEMONDA SLと同じ、フォークからステアリングコラムまでがフルカーボン製のフォーク装着であることや、
ビギナーからプロレーサーまで幅広いライダーが最適なポジションを実現することができる、という「H2」フィットなるジオメトリーを採用している、
といったスペック上の重要事項も、まだあまりよく頭に入っていませんでした^^;
チェーンステーにこういう仕掛けがされていることも、なんだか新機軸を打ち出しているようで、好印象でした(実際、購入後はこの装備は宝の持ち腐れで、まだ利用していないのですが)。
当たり前のことですが、マスプロのトレック様ですから、
シマノのコンポーネント以外は、ことごとく自社関連のベーシック部品でかためています。
しかし、この完成車状態でも8.19kgしかない(54サイズ)ので、あと数百グラムの部品交換で、容易に7kg台突入できそうです。
この重さのあたりからも、(グレードアップの余地や効果が期待できそうで、楽しみだなあ)
とか。
そして購入の決定打となったのは意外と、このサイズ(58)の在庫がすぐあったこと、でした。
※「衝動買い」の構成要素として、在庫あり、は外せませんw
58というのは、自分の身長(175)からは明らかにオーバーサイズにとらえられそうですが、
適正ポジションを出すために、お恥ずかしながら初めて店の測定器で詳しく自分の身体を測ったところ、
ハンドル幅が360と想像よりも狭めだった一方、
股下867、理想のサドル高さ763、トップチューブ長530、クランク長172.5、などと、
まったく予想外の数値がいろいろ算出されました@@
いままでのフレームサイズ(52程度)に準じたサドル高さ(720~730程度)は、
自分にとっては正規のサイズではなかった、ということのようでした。
(というか、これまで正確な股下長が測れていなかった、ということですね)。
やはり、測定器は利用してみるものです。
ということで、トップチューブ長を3~4センチだけ短くするためにステム交換やサドルの前後位置調整、ハンドルの交換などを行った上で、適正フレームサイズは56-58の間(57サイズというのはない)になる、とのことで、
フレームサイズは58に。
ヘッドチューブが長めになることから、サドル~ハンドル高差を限りなくゼロにして、かなりアップライトなポジションを追求できることにもなりました。
いろいろ思い描いていたわりには、PBP直後でもあり、貯金がなかったのでいったん分割払いに(ここは泣)。
約1週間後、無事納車。
あっちの車輪をこっちに、こっちの車輪をあっちに、と
入れ替え作業。
これまでのオルトレのシート高さも、今回の測定器の結果に照らして、高めに再調整しました。いまさら、ですが。
エモンダをひっくり返したところ、トップチューブ裏に、ファクトリーカラーに固有の、こんな文字が。何やら早くもプレッシャーをかけられているようで(汗)
これまでオルトレに装着してきた「虎の子」、コスミックカーボンSLホイールをどうするか、というのがありましたが、これは新車のエモンダに付け替えることにしました。
スプロケットもDURAの10速から、当面は105の11速に。
これをもって事実上、オルトレからALRへ、とブルベ機の世代交代と相成りました。
オルトレはそのフレームサイズ(サハ高差が9センチ前後)や、これまでの走行実績から、
600kmがライディングポジション上のリミットと思われます。PBPではちょうど1000kmを過ぎたところで、首の異変がありました。
だからといって今後も600kmブルベまでは使うかといえば、そこは悩みどころです。
フルカーボンであることから、長距離の利点は当然あるはずですが、
このフレームはそろそろそれなりに走行距離を積んできています。
今後はこの1号機(オルトレ)は、ブルベであっても200km~300kmまで、ということにしておきましょうか。
ハンドルも、自分の肩幅に合っているオルトレのものと交換したり、サイズ調整も。
漕ぎ出しが軽い。ハンドルも軽くて、逆にやや落ち着きのなさも感じるぐらいだが、
操舵性はしっかりしている。高速カーブも楽。
やはり驚いたのは、路面の振動吸収性です。
アルミ素材であることがすぐにはわからないくらいで、
大きな振動を伴うような舗装が荒れた路面でも、オルトレのようなフルカーボンに近く、角がとれた微振動に抑え込んで、身体に小さく伝えてくる程度。
振動吸収性を点数化してみるとすると、普通のフルカーボンバイクが90点としたら、この新素材アルミバイクは75点といったイメージではないでしょうか。
のちにハンドル、シートポストともにカーボンに替えたところ(写真上)、この点数イメージではさらに80点ぐらいに向上した感じです。
さらに、ホイールをセット1500g以下のもっと軽いものに替えたら、どうなるんだろう。
これもいずれは実行してみたいですね。
さて納車後、入れ替え作業がいったん落ち着いたところで、2台を並べてみました。
しかし、3台目、4台目と増やす空間余地は、我が家には全くありません。
クロスバイク化して息子に譲ったDEFYは別にして、常時保管できる自分のロードバイクはせいぜい2台。
ということで、オルトレの前に乗っていた、あの「老兵」LOOK KG381はついに引退。
いまは本来のフレームのみの姿になり、実家の一室に静態保存されています。
このバイクをPBP=フランスに里帰りさせることが出来なかったことは心残りですが、手元にこれからも残る、ということで、まあ安堵ではあります。
ここでちょっと整理しますと、
真田「赤備え」コンセプトにちなんで、自分なりにこう解釈することにしましたw
引退した渋い先々代(LOOK KG381)→「幸隆」号
現役1号機(BIANCHI OLTRE初代)→「昌幸」号
表舞台からは去ったが、いつも脇にひかえている息子の自転車(GIANT DEFY1)→「佐助」号
真っ赤な色の現役2号機(TREK EMONDA ALR5)→「信繁」号
閑話休題。
さて、その2号機「信繁」号のブルベ初陣は早々にやってきました。
それが、BRM111東京200kmはとバスの昨年末のスタッフ試走でした。
ALR5でまず200kmを走破しましたが、いままでと変わらず、で、身体の疲れも特に出ず、変わった印象はありません(フルカーボンバイクとの比較、での話です)。
ひとつあるとすれば、11速化して105のシフターが小ぶりになり、操作上も可動域のアクションが小さく、軽くなって、105にしてもずいぶん操作が楽になった、ということ。
指の小さなアクションでチャカチャカと速やかに変速してくれるので、(なんだ、これだったら電動いらないじゃん)とか、これまた都合よく考えたりw
と、昨年後半は2号機のエモンダがどんなバイクか、おそるおそる乗ってみる日々でしたが、
意外や意外、どうしてもつきまとう「アルミフレーム」という先入観に反して、
軽くて、漕ぎ出し(信号発信とか)は楽で、乗り心地もいい、という、いたって好印象が続いています。
一世代前のアルミロードなら、DEFYのような上級アルミモデルでも、もう少し重かったような気がします。
そこが軽くなっているだけでも、エモンダに限らず、CAAD12など、各社の新素材アルミモデルの面目躍如、といったところでしょうか。
ちょうど、いつも練習コースに向かう途中の近所にトレック専門店があるので、ツールは入手しやすいです。
そういえば、最近はこの話も。
なんと、2014年の夏に豪雨の果てに液晶画面が逝ったはずのサイコンが今年、あっさりと復活しました。
詳細はいずれ。
ということで2号機は、長距離ブルベ時のフル装備の際は、久々にGPS1台、サイコン2台(メイン+サブ)の計3台を搭載することとなりました。
今回は、ブルベを新素材アルミのロードで、というお話でした。
オーダーメイドではなく、ハイエンドでもない。
しかし、マスプロメーカーならではの、高い技術に裏打ちされ、コストパフォーマンスに優れた、新世代のロードバイク。
半年近く、このエモンダALR5で走ってみたところでは「全然いける」感じがしています。
この「赤備え」で、さらにブルベを楽しんでみます。